ギターTAB譜の読み方・書き方入門 — 5分でわかる、音符が読めなくても弾ける仕組み
著者 Masashi Y.
弾きたい曲を検索したら、こんな数字の並びが出てきた——
e|---0---0---1---3---|
B|-------------------|
G|-------------------| 「これ、どう読むの?」と固まってしまった経験はありませんか。
この4つの数字が何の曲か、記事の最後にわかります。そしてそのとき、あなたはもうTAB譜が読めるようになっています。
ご安心ください。TAB(タブ)譜は、数ある楽譜の中でいちばん読みやすい記法です。 五線譜のように音符の高さを覚える必要も、音楽理論も要りません。覚えることはたった3つ。「線は弦」「数字はフレット」「左から右へ時間が進む」——これだけです。
この記事では、その3つを 実際に音を鳴らしながら 確かめていきます。読み終わるころには、ネットで拾ったTAB譜がスラスラ読め、さらに 自分でTAB譜を作る ところまでできるようになります。
1. 6本の線は、6本の弦
TAB譜の6本の横線は、そのまま ギターの6本の弦 を表しています。ギターを弾く姿勢で見たとき、
- いちばん下の線 = いちばん太い 6弦(低いミ)
- いちばん上の線 = いちばん細い 1弦(高いミ)
になります。「楽譜なのに上下が逆?」と感じるかもしれませんが、ギターを構えて手元を見下ろすと、太い弦が手前(下)に来ます。その並びと同じだと思えば自然です。
下の図で「弾いてみる」を押すと、6弦から1弦へ順に開放弦(かいほうげん)が鳴ります。線の上から下、音の高さの変化を、目と耳で確かめてください。TABの数字は1つずつタップもできます——どの線がどの高さの音か、自分の指で確かめられます。
TABの数字をタップすると、その音だけが鳴り、指板の位置が光ります。
数字の 0 は 開放弦、つまり「どのフレットも押さえずに、その弦をそのまま鳴らす」という意味です。
2. 数字は「押さえるフレット」
線の上に書かれた数字は、その弦の何フレット目を押さえるか を表します。
0= 開放弦(押さえない)1= 1フレット3= 3フレット
たったこれだけ。数字が大きいほど、ネックのヘッドから遠い(ボディに近い)フレットになり、音は高くなります。
下の図は、同じ3弦 の上で数字だけを変えた例です。数字をタップして聴き比べると、数字が増えるにつれて押さえる位置がボディ側へ動き、音が上がっていくのがわかります。下の指板図で、光る位置もいっしょに動きます。
TABの数字をタップすると、その音だけが鳴り、指板の位置が光ります。
ここまでで「どの弦の、何フレットを押さえるか」がTAB譜から読み取れるようになりました。TAB譜の本質はこれでほぼ完成です。
3. 左から右へ=時間。縦に重なれば「同時に」
TAB譜は、左から右へ読むと時間が進みます。 楽譜の左端が曲の始まり、右へ進むほど後の音です。
ポイントは、数字の 並び方 です。
- 数字が縦にそろっている = その音を 同時に 鳴らす(=コード/和音)
- 数字が横にずれて並ぶ = 1音ずつ順番に 鳴らす(=メロディやアルペジオ)
下の図は、最初の列でCコードを「ジャーン」と同時に鳴らし、続けて同じ音を1つずつ(アルペジオで)鳴らす例です。まったく同じ音 でも、縦に重ねるか横にばらすかで弾き方が変わります。
TABの数字をタップすると、その音だけが鳴り、指板の位置が光ります。
「縦=いっしょに、横=順番に」——この感覚さえつかめば、コード弾きもメロディも同じTAB譜の中で読み分けられます。
4. 文字だけのTAB譜(テキストTAB)の記号
ネットで見つかるTAB譜には、大きく2種類あります。この記事の冒頭に出てきたような 文字だけで書かれたTAB譜(テキストTAB) と、楽譜ソフトで清書されたTAB譜です。数字のルールはどちらも同じですが、テクニック(奏法)の書き方 が少し違います。
テキストTABでは、数字のあいだに小文字の記号を挟んで奏法を表します。よく見るのは次の3つ。
- h(ハンマリング・オン)= 左手の指でフレットを叩いて次の音を出す
- p(プリング・オフ)= 押さえた指を引っかけるように離して次の音を出す
- /(スライド)= 押さえたまま指を滑らせて次のフレットへ
共通点は、いずれもピックで弾き直さず、前の音から指でつなげる こと。だから2音めは、最初の音よりすこし柔らかい音になります。下の図で 0h2(0から2へハンマリング)、2p0(2から0へプリング)、5/7(5から7へスライド)を、音と動きで確かめてください。再生すると、いま鳴っているテクニックの名前が表示され、指板の上では指が「叩く・離す・滑る」の動きを実演 します。
TABの数字をタップすると、その音だけが鳴り、指板の位置が光ります。
清書されたTAB譜では、同じテクニックが記号の代わりに 音符をつなぐ曲線(スラー)や斜めの線 で書かれます。上の図に重ねて描いてあるのがそれです。意味は同じなので、どちらの書き方で出てきても読めます。
このほか、テキストTABで見かける記号をまとめておきます。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
h | ハンマリング・オン |
p | プリング・オフ |
/ | スライドアップ |
\\ | スライドダウン |
b | チョーキング(ベンド/弦を押し上げて音を上げる) |
x | ブラッシング/ミュート(音程を出さずに「チャッ」と鳴らす) |
~ | ビブラート |
PM | パームミュート(右手の側面で弦を軽く触れて音を抑える) |
全部を一度に覚える必要はありません。曲の中で出てきたときに、この表に戻ってくれば十分です。
5. TAB譜の弱点と、その解決法
ここまでで読み方の基本は完成です。ただ、TAB譜には ひとつ弱点 があります。
それは——音の長さ(リズム)がわかりにくい こと。TAB譜は「どこを押さえるか」は完璧に教えてくれますが、「それを何拍伸ばすのか」までは表しきれません。だから、知らない曲をTAB譜だけで弾くと、リズムで迷子になりがちです。
これを解決するのが、五線譜とTAB譜をセットで見る こと。五線譜が「リズムと音の高さ」を、TAB譜が「押さえる場所」を受け持つので、両方そろえば迷う要素がなくなります。
下は、その「五線譜+TAB+再生」がそろった譜面を、この記事に そのまま埋め込んだ ものです(画像ではなく本物の譜面です)。誰もが知る「よろこびの歌(歓喜の歌)」。再生ボタンを押すと、カーソルが流れながら音が鳴ります。TABの数字を目で追いながら聴いてみてください。
この譜面はこの記事に埋め込んだ本物のnotaveの譜面です。再生はもちろん、テンポを落として確認したり、インターバル(度数)表示を切り替えたりも、その場で試せます。
ところで——お気づきでしょうか。冒頭の「読めなかった数字」e|---0---0---1---3---| は、この「よろこびの歌」の出だしの4音です。 1弦の開放(ミ・ミ)、1フレット(ファ)、3フレット(ソ)。記事の最初では暗号にしか見えなかった並びが、いまはもう「弾ける情報」に見えているはずです。
五線譜の読み方を知らなくても大丈夫。TABの数字どおりに押さえ、再生される音の長さをまねる——それだけで曲になります。
6. 自分でTAB譜を「書いて」みる
読めるようになったら、次は 書く 番です。「耳コピしたフレーズを残したい」「弾き語りのイントロを譜面にしたい」——そんなとき、紙に線を引いて数字を書き込むのは大変です。
notave を使えば、ブラウザだけで TAB譜を作れます。インストールも、最初のうちはアカウント登録も不要。打ち込んだそばから、五線譜とTAB譜が同時に きれいに描かれていきます。
入力のしかたはいくつか選べます(詳しくは入力モードの使い分け)。
- コード選択 = コード名を選ぶと、押さえ方の候補(ボイシング)が自動で並ぶ
- TAB入力 = 弦とフレットの数字を直接打ち込む
- 五線譜入力 = 音の高さを置くと、押さえる場所を自動で割り当ててくれる
たとえば、第5章のメロディに コードを付けた伴奏 を作るとこうなります。下の譜面(これも本物のnotaveの埋め込み)は、弾き語りでも超定番の進行 C → G → Am → F。コード名の下に、各コードの押さえ方候補まで自動で表示されています。再生で響きも確かめられます。
押さえ方を確認したいだけなら、ギターコード表でコードごとの押さえ方を一覧できます。歌詞付きの弾き語り譜ならコード譜メーカーも便利です。
作った譜面は、共有リンクで人に渡したり、この記事のようにブログへ埋め込んだりできます。スクショと違い、相手も再生・編集できる「本物の譜面」のまま渡せます。
7. 上達のヒント
- ゆっくりから。 まずはテンポを大きく落として、数字どおりに正確に押さえることだけに集中します。速さは後からついてきます。リズムが不安なときはメトロノームを併用しましょう。
- コードの押さえ方は別で覚える。 TAB譜はコードを縦の数字でも示しますが、定番のオープンコードは形で覚えてしまうほうが速いです。オープンコードの装飾テクニックもあわせてどうぞ。
- 読めたら、すぐ書いてみる。 好きな曲のワンフレーズを耳コピして notave に打ち込むと、「読む」と「書く」がつながって一気に定着します。
まとめ
ギターのTAB譜は、覚えることがたった3つの、いちばんやさしい楽譜です。
- 6本の線は6本の弦(下が太い6弦、上が細い1弦/0は開放弦)
- 数字は押さえるフレット(大きいほど高い音)
- 左から右へ時間が進む(縦に重なれば同時、横に並べば順番)
h p / などの記号は「弾き直さずに指でつなげる」合図。そして、リズムが不安なときは 五線譜とセット で見れば迷いません。
読めるようになったら、ぜひ自分でも書いてみてください。notave.zelva.dev なら、登録もインストールも不要で、ブラウザだけで五線譜つきのTAB譜を今すぐ作れます。まずは好きな曲のワンフレーズから。


